2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧

刑務所の中 著:花輪和一

明るい獄中記。 あまりにも魅力的に描写されている為、直ぐにでも刑務所に入りたくなってしまう。 うう〜〜ん、今すぐには無理としても一度は入ってみたいなぁ。 そうなると何をして捕まるかを考えなければ……。 無銭飲食? それじゃ情けないし。 痴漢? 人生…

ユージニア 著:恩田陸

物語は無限の可能性を秘めている。が、しかし、作者が足枷となり、無限から有限へと固定してしまう。 ただ、裏をかえせば、作者の力量次第で限りなく有限を無限に近づけることが出来るのではなかろうか。 私はこの作品がそういう物語であると思う。 先入観な…

皇帝ペンギン

正直な話、私はそこまでペンギンが好きではなかったのだなと、そう思った。 動きがユーモラスで見ていて楽しい。 その程度の気持ちでいた。 動物園は必ず見てはいたが、表面的な可愛らしさしか認識していなかった。 今の私は過去の私を蔑視している。 ユーモ…

姑獲鳥の夏

おばようおばよう そう鳴くのです。 おばようおばよう その声はいつのまにか私の耳に忍び込み。 おばようおばよう そう鳴くのです。 原作のムードは残しつつも、調味料は独自になっていると感じた。 それにしても、京極は自作に出るのが好きだね、と、遊び心…

妖怪大戦争

個人的には大満足。 妖怪マニアが集まって、自分の好きなようにいじくりたおした作品。 風俗描写(村の祭り)の再現は巧みだし、個々の妖怪の特殊メイクは見事の一語に尽きる。 それもそのはず、主要メンバーが御大水木しげるに京極夏彦、おまけに荒俣宏に宮…

読書の感想(レビュー)の難しさ

難しく考えることはないのかもしれないけれど、妙に考えてしまいます。●どこまで本の内容(いわゆるネタバレ)を記述してもよいのだろうか ・既に読んでしまった人ならいいけど、読む前の人だったら興ざめだし……本によっては全体で楽しめるものもあるけど、…

夜のピクニック 恩田陸(著)

読了後、登場人物が羨ましくなり、私もどこかを歩きたくなった。 富士山なんかはどうだろう? そう自分に問いかけてもみた。 水戸一高の歩く会が元となり、この物語は語られている。 テレビで高校生が歩く姿を見たことのある方もいると思う。その歩く会を題…

903SH

勢いで機種変を行ってみた。 N51→903SH ある意味劇的な進化なのかもしれない。 特に、画素数320万というのは、デジカメいらないかも……と思いつつも、反面、そうなるとバッテリーの減りも早いんだろうなぁと不安になる。 色は、黒に決定。 赤は来週入荷という…

蒲公英草紙―常野物語 恩田陸(著)

じんわりほっこり。 期待に胸を膨らませてページをめくった一冊。 常野物語では前作、光の帝国に続く二冊目。 個人的に常野一族という設定に大きく惹かれる。 自分の中に永久を住まわせる一族……内的外的の違いはあれど、妙に不死のものの物語を思い浮かべて…

波に座る男たち 梶尾真治(著)

本書はノスタルジーと任侠が芳醇に香る良作となっております。 殆ど食べたことの無い鯨肉にノスタルジーを感じ、 仁侠映画でしか接したことの無い善玉ヤクザに思いを馳せる。 まさに現実に接しているようで隔離している本の中を 存分に楽しめる作品になって…

神狩り 2 リッパー 山田正紀(著)

物語の質には満足だが、構成に不満あり。 前作に比べ、神という存在への哲学的なアプローチは進んでいると思う。 ただ反面、物語としての神へのアプローチは薄かった。 ・古代文字へのさらなる言及は? ・火星の文字が警告だという前作のヒキの活用は? ・登…