2004-01-23 車窓から2 はじめは陶芸を売っているのかと思ったが、そうでもないらしい。 膳。 幾度か看板を注視するうちに、左上に小さく膳と書かれていることに気がついた。 美味しいといいな、そう思った。 今日も看板を目にし、電車は止まった。私は再び顔を伏せる。 ここで降りたい気持ちはだんだん強くなる一方だが、どうも体は動かないようだ。 不味かったらどうしよう、そう思った。 いつか降りるのかもしれないけれど今日はいいや、そう思った。 私はえいやと目を閉じる。後20分、一眠りするには十分だ。