蒲公英草紙―常野物語 恩田陸(著)
じんわりほっこり。
期待に胸を膨らませてページをめくった一冊。
常野物語では前作、光の帝国に続く二冊目。
個人的に常野一族という設定に大きく惹かれる。
自分の中に永久を住まわせる一族……内的外的の違いはあれど、妙に不死のものの物語を思い浮かべてしまう(アン・ライス著『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』、大原まり子著『吸血鬼エフェメラ』)。
私だけなのかもしれないが、自分の中に住んでいる「生と死を考える生き物」が目を覚ましてしまった。
ともあれ、読者の内側に響く良作だと思う。
下記の公式サイトもおすすめ。
『蒲公英草紙』恩田陸
http://www.shueisha.co.jp/tokono/
神狩り 2 リッパー 山田正紀(著)
物語の質には満足だが、構成に不満あり。
前作に比べ、神という存在への哲学的なアプローチは進んでいると思う。
ただ反面、物語としての神へのアプローチは薄かった。
・古代文字へのさらなる言及は?
・火星の文字が警告だという前作のヒキの活用は?
・登場人物個々の存在感は重厚だが、人物数が多く散漫になっている気も……。
とりあえず、
『神狩り2 ○○』←江藤編とか
外伝を希望したい気分かな。
しかし、これは神を狩る物語である。
前作では、神の存在が仄めかされただけであるのに、今作では神の目前まで駒を進めることが出来た。
その点から星いつつとし、神狩り3を待ちたいと思う。
人力検索サイトはてな:注目の?
私の心はギュっとつかまえられてしまったのです。
お腹の方もよじれてしまい、当分元には戻らないかもしれません。
元凶はid:m43さんが発したはてなの質問。
「お腹がすいたんですが、何を食べればいいでしょうか。」
堪能致しました。